更新日:2021.8.19
大手携帯電話会社で購入したスマートフォンには、基本的に「SIMロック」がかけられています。
SIMロックによって、スマホには制限がかけられているのですが、それはいったいどのような制限なのでしょうか?またSIMロックは解除することで、得られるメリット・デメリットは何でしょうか?
今回は、そんなSIMロック解除について解説していきます。
SIMロック解除について解説する前に、そもそもSIMロックとはいったい何なのかを知っておきましょう。
基本的にiPhoneやAndroidスマホは、SIMカードを入れれば通信ができるようになります。
しかし大手携帯電話会社からスマホを購入し、その会社と回線契約を結ぶと、その端末はその会社以外の回線では利用できないように設定されます。それが「SIMロック」です。
ソフトバンクで購入したスマホは、ソフトバンクの回線しか利用できなくなります。
SIMカードは、利用者と携帯電話会社との契約情報が記録された小さなICカードです。SIMカードをスマホに挿入すると、契約した携帯電話会社の回線を使って通話やデータ通信が可能になります。
SIMカードには利用者の識別番号、電話番号などのデータが保存されていて、本来ならどの端末に差し込んでも同じ電話番号、同じ回線で利用可能です。
しかしSIMロックがかかっている端末だと、他社で契約したSIMカードを差し込んでも利用できません。
なお「eSIM」という、あらかじめスマートフォンに内蔵されたSIMもあります。物理的にSIMカードを差し込まなくてもオンラインでSIMの書き換えが可能です。
「SIMロックを解除する」ということは、端末にかかっている「利用可能な回線を限定している制限をなくす」ことを意味します。
SIMロックを解除したスマホは、どの携帯電話会社のSIMカードでも利用可能になります。この状態を「SIMフリー」と呼びます。
以前から日本では、大手携帯電話会社が発売した端末はその会社の回線でしか使えないのは当然のことでした。
ユーザー自身でSIMカードを挿入してスマホ使うということが一般化してからもそれは変わらず、大手携帯電話会社はSIMロックをかけて制限を続けてきました。
しかし2014年10月に総務省によって「SIMロック解除に関するガイドライン」の改正案が発表されました。それによって2015年5月から、携帯電話会社は利用者の求めに応じてSIMロックを解除しなければならなくなりました。
つまり現在、利用者はいつでも自分の好きなタイミングでSIMロックを解除することが可能なのです。
それでは、SIMロックを解除するメリットとデメリットとしてどのようなことがあるのか解説していきましょう。
SIMロックを解除する最大のメリットは、MVNO(仮想移動体通信事業者)が提供する「格安SIM」を利用できることです。
格安SIMとは、大手携帯電話会社よりリーズナブルに利用できるスマホの通信サービスのことです。格安SIMを使うことで、月額料金をより安く抑えられます。契約期間や自動更新の縛りもなく解約も自由なので、たくさんある格安SIMの中から好きなサービスを選ぶこともできます。
また、海外に行く場合にはSIMロックを解除しておいたほうが便利です。SIMフリー端末は海外のSIMにも対応します。渡航先で販売されている格安SIMを購入して差し込めば、海外でも自分のスマホを利用できます。
SIMロックを解除したあとでも、契約している携帯電話会社のSIMをそのまま使い続けられます。そのため、今すぐ格安SIMを使う予定はなくとも、まずはSIMロックを解除しておくことで選択肢が広がります。
SIMロックを解除しても特にデメリットはありません。
ただSIMロック解除を、店頭で行うと解除手数料3,300円(税込)が必要になるので注意です。
単刀直入に言うと「簡単」です。SIMロックを解除する場合、利用者が契約している携帯電話会社に依頼するだけで解除可能です。ただし契約者本人による依頼が求められます。
SIMロックを解除する手段は携帯電話会社によって若干の違いがあります。以下で解説していきます。
SIMロックを解除するとき、一般的なのは携帯電話会社の店頭へスマホを持参する方法です。
店頭で依頼すれば、大した手間もかからずにすぐロックを解除できます。ただし前述したように、店頭でロック解除を依頼すると手数料3,300円(税込)が発生します。
各携帯電話会社のウェブサイトにアクセスして手続きすれば、店頭に行かずにSIMロックを解除できます。このとき手数料はかかりません。
各携帯電話会社とも、解除の手順をウェブサイトで解説しているので、それに沿って行えば簡単に手続きが完了します。
なおドコモはスマホからの手続きができず、パソコンからのアクセスが必要です。
以下にウェブからSIMロックを解除する手順をまとめます。
マイドコモにログイン
↓
メニューの「サービス一覧」を選択
↓
「SIMロック解除」を選択
↓
必要項目を入力
↓
手続き完了
マイソフトバンクにログイン
↓
メニューの「契約・オプション管理」を選択
↓
必要項目を入力
↓
手続き完了
My auにログイン
↓
メニューの「契約内容手続き」を選択
↓
「SIMロック解除のお手続きはこちら」を選択
↓
必要項目を入力
↓
手続き完了
大手携帯電話会社の中で、ドコモのみ電話でのSIMロック解除を受け付けています。
ドコモ回線なら「151」に、その他の回線なら「0120-800-000」に電話をかけます。カスタマーサービスにつながったら、音声ガイダンスにしたがって手続きを進めます。
なお、ドコモの電話によるSIMロック解除は、店頭と同額の3,300円(税込)の手数料がかかります。
SIMロックが解除されているかどうかは、契約している大手携帯電話会社の店頭か、下記の方法でスマホをみればわかります。
iOS 14以降のiPhoneの場合、「設定」アプリを起動、「一般」→「情報」を選択します。「SIMロック」という項目に「SIMロックなし」と表示されていれば、SIMロックは解除されています。
Androidスマホの場合、機種によって項目名など異なりますが、「設定」→「端末情報」や「デバイス情報」を選択します。「SIMロックの状態」や「SIMのステータス」という項目に「許可」「ロック解除されています」と表示されていれば、SIMロックは解除されています。
SIMロック解除には、いくつかの条件があります。携帯電話会社によって条件が異なるので、解除を依頼する前に確認しましょう。
なおソフトバンクで2021年5月12日以降にSIMロック解除対応端末を購入した場合、購入時にはSIMロック解除が完了しています。そのためSIMロック解除の手続きは不要です。
スマホのSIMロックの解除が完了したら、すぐにも格安SIMに乗り換えることが可能です。
ただ最近では格安SIMを提供する魅力的な通信会社がたくさん登場しているため、どれを選んだらいいか迷うことでしょう。以下では、自分に合った格安SIMを見つけるための基準をピックアップしました。
格安SIMは、大別すると通話とデータ通信が可能な「音声通話SIM」とデータ通信のみ可能な「データSIM」があります。
通話が必須、という人は音声通話SIMを選択することになりますが、一般的に音声通話SIMのほうが月額料金は高く、さらに「通話し放題」「通話定額」のようなオプションプランがあることで料金が上乗せされます。それに加え、データ通信量によっても料金が変化します。
通話不要ならデータSIMを選択するといいでしょう。データSIMの場合は、基本データ通信量で月額料金が決まり、超過したデータ量は追加料金として請求される形式が多いです。
これらの契約条件によって格安SIMの月額料金は変動します。広告やウェブサイトに「月額○○円!」と驚くような低価格が提示されていても、必ずしもそのとおりの価格になるとは限りません。基本データ量やオプションなどを加味してシミュレーションし、自分の使い方に合った格安SIMを選択しましょう。
格安SIMを提供する各社は、それぞれで特徴を打ち出そうとしています。
代表的なのが「カウントフリー」です。これは、特定のSNSや動画サービス、ゲームなどを利用したときの通信料が無料になったり割り引かれたりするサービスです。
自分のスマホの使い方にそういったサービスが合致するなら、選択の基準になるでしょう。
格安SIMを提供するMVNO各社は、大手携帯電話会社の回線を借りる形で通信サービスを提供しています。
格安SIMは、必ず「ドコモ回線」か「au回線」か「ソフトバンク回線」のどれかを借りており、ウェブサイト内などにどの回線かの記載があります。
同じサービス、同じ料金プランでも複数の回線から選択できる格安SIMもあります。
SIMロックを解除していれば、どの回線でも普通に利用できますので、格安SIMがどの回線を使っているかはあまり気にしなくてもいいかもしれません。
しかしたとえば、SIMロック解除前に利用していた携帯電話会社の電波状況があまり良くなかったのであれば、別の会社の回線を選択するのもありです。
格安SIMを提供する会社のほとんどは、契約にあたってさまざまなキャンペーンを展開しています。
キャッシュバックや一定期間の月額料金割引など、その内容はいろいろありますし、期間限定で展開されているキャンペーンも多いです。自分が利用を開始するタイミングを見極めて最もお得な条件で契約するといいでしょう。
格安SIMが台頭する中で、特に注目していただきたいたいのが「LINEMO」です。
LINEMOの料金プランは、データ量20GBの「スマホプラン」(月額2728円・税込)と、3GBの「ミニプラン」(月額990円・税込)の2つあります。
格安SIMのような価格帯なのに、回線をレンタルするMVNOではなく、回線をそのまま利用するMNOです。
それもそのはず、運営会社は大手携帯電話会社のソフトバンク。
毎月のスマホ基本料を安く済ましたいけど、品質は落としたくないと考えている方には、LINEMOへの乗り換えをオススメします。
そんなLINEMOに乗り換える手順を解説しましょう。
まずは、SIMロック解除したスマホがLINEMOで利用できるかを確認します。
SIMロック解除が済んでいない場合は先に解除をしてください。
SIMカードかeSIMカードかを選択します。
eSIMを利用できるのは、対応スマホのみです。お手持ちのスマホがeSIMに対応しているかどうか確認しましょう。
eSIMがなんだかわからない人は、SIMカードを選択しておいた方が安全です。
LINEMOを新しい電話番号で利用するなら、特に準備はいりません。
今使っている電話番号を変えずにそのまま利用したいなら、少しだけ準備が必要です。
ドコモ、au、楽天モバイル、その他の格安SIMを契約しているなら、各社で「MNP予約番号」を取得してください。
ソフトバンク、ワイモバイルを契約しているなら、「マイソフトバンク」「マイワイモバイル」の登録情報(住所や氏名など)を最新化してください。
申し込みには、運転免許証や健康保険証といった本人確認書類が必要です。
本人確認書類はスマートフォンやデジタルカメラで撮影した画像データをアップロードします。
※本人確認書類に不備があると契約できません。
申し込みが完了し、審査が通ればしばらくしてからSIMカードが発送されます。届いたSIMカードをスマホに差し込んで、初期設定をすれば、LINEMOを使い始められます。
初期設定は一緒に届くマニュアルに詳しく記載されていますので、簡単に終わります。
SIMロックの解除に特にデメリットはありません。それどころか、スマホが本来持っている使い勝手を満喫できるというものです。
SIMロックを解除しても、現在契約している携帯電話会社の回線はそのまま利用できますので、試しにSIMロックを解除し、魅力的なプランを用意している格安SIMを試してみるというのもいいのではないでしょうか。
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