更新日:2021.9.6
端末購入の選択肢として「格安SIM」も選ばれるようになってきましたが、これからiPhoneを買おうかな、と思っているならぜひ「SIMフリー版」をオススメします。
ここでは、SIMフリー版をオススメする理由を解説するとともに、SIMフリー版iPhoneとはどういうものか、キャリア版とは何が違うのか、そしてどんなメリット・デメリットがあるのかを紹介していきます。
スマホの代名詞とも言える「iPhone」。日本では2008年に「iPhone 3G」が発売され、以来毎年新製品が登場しています。
そんなiPhoneですが、発売当初は大手キャリアで購入するのが一般的でした。しかし、このところの格安SIMブームを受け「SIMフリー版iPhone」が注目され始めてきました。
そもそも「SIMフリー」とはなんでしょうか。
iPhoneは「SIMカード」を挿入することで通話やデータ通信が行えます。SIMカードは利用者と携帯事業者との契約情報が記録された小さなICカードです。SIMフリーだからといって、SIMカードを挿入しなくていいわけではありません。
ドコモやau、ソフトバンクといった大手キャリアで購入したiPhoneには、それぞれのキャリアが発行したSIMカードでしか通話・通信できないような制限がかかっています。それが「SIMロック」で、SIMロックがかかったiPhoneが「キャリア版iPhone」です。
その反対で、SIMロックがかかっていないiPhoneが「SIMフリー版iPhone」です。SIMフリーとは、特定のキャリアが発行したSIMカードしか使えないという制限がなくなり、どこのキャリアのSIMカードで利用できるようになります。もちろん、格安SIMでも使えます。
SIMフリー版iPhoneが欲しい場合、どこで買えばいいのでしょうか。
まず、iPhoneの製造元である「Apple」の公式ショップである「Apple Store」で購入できます。Apple Storeは、リアル店舗とネットのオンライン店舗があり、どちらでも購入可能です。
近くにApple Storeがない、オンラインで買うのは抵抗があるという場合でもご安心を。SIMフリー版iPhoneを取り扱っている家電量販店もありますので、在庫や取り扱いが気になる方はお近くの家電量販店に問い合わせてみると良いでしょう。
なお、Apple Storeの場所、Apple製品を取り扱っている家電量販店については、Appleの公式サイトから確認することができます。
また中古スマホ販売店などで中古のSIMフリー版iPhone製品が販売されていることもあります。ただし中古のiPhoneの場合、ちょっとした注意が必要です。
中古のスマホで、購入して問題なく使えるものを「白ロム」と呼びますが、一方で中古スマホの中には「赤ロム」と呼ばれる端末が紛れ込んでいることがあります。
赤ロムとは、前のスマホ所有者が通信事業者への料金支払いを滞らせたなどの理由ではじめから通信制限がかかっている端末のことです。赤ロムのSIMフリーiPhoneを入手してしまうと、たとえ正規のSIMカードを挿入しても利用できない可能性があります。
場合によっては、購入したときは白ロム状態でも使用を開始したら何らかの理由で急に赤ロムになるケースもあります。大手の中古スマホ販売店はそういったときに返金や交換してくれる「赤ロム保証」が用意されていることがありますが、中古のSIMフリーiPhoneを購入する場合にはそういうリスクがあることも念頭に置いておいてください。
ここからは、SIMフリー版iPhoneとキャリア版iPhoneがそれぞれ持つメリット・デメリットについて解説していきましょう。
最大のメリットは、SIMロックがかかっていないため、利用する通信事業者を自由に選べるという点です。
中でも、MVNOが提供している格安SIMを使えば、利用料金を安く抑えることもできます。iPhoneの端末価格は決して安いとは言えませんが、格安SIMで毎月の利用料を削減できれば、端末代の補填になります。
また最近では、大手キャリア(MNO)もサブブランドとして格安プランの提供を始めました。「ahamo(ドコモ)」「povo(au)」「LINEMO(ソフトバンク)」などが該当しますが、そういったサブブランドの格安プランを利用することも、利用料削減につながります。
また、海外によく行く人にもメリットは大きいでしょう。滞在先で格安SIMを購入すれば、SIMフリー版iPhoneに挿入してそのまま海外で利用することもできます。ローミング料金などの発生もなく、海外でも快適にiPhoneを使えるでしょう。
SIMフリー版iPhoneを利用するデメリットの1つは、端末価格が高いということ。後述しますが、キャリア版iPhoneなら、料金プランによっては端末割引プログラムが適用され、毎月の支払いを抑えながら端末代を支払うことも可能です。
しかしSIMフリー版iPhoneを自分で入手するとなると、端末割引がない状態で端末を一括または分割で購入することになります。また分割の場合は、端末料金と通信料金とを分けて支払う必要があります。
またSIMフリー版iPhone自体の問題ではないのですが、契約する格安SIMの仕様によっては、iPhoneの性能を最大限に発揮できない可能性があります。
せっかく5G対応のiPhoneを購入したのに、格安SIMが5Gに対応していなければ5G通信を使えません。また格安SIMは、サービスによっては混雑時(朝夕の通勤時やお昼休みの時間帯、大勢の人が集まるイベント会場など)に通信速度が低下することがあります。そうなると、本来iPhoneがもっているポテンシャルを発揮できないことになります。
キャリア版iPhoneのメリットの1つは、端末を安く購入できる可能性があるということ。キャリアが展開するキャンペーンや割引プログラムによりますが、本来の端末価格の一部が割り引かれて購入できることがあります。その代わり、2年間の契約期間や、契約期間が過ぎたら端末をキャリアに返却する必要があるなどの「縛り」はありますが、ある程度の期間、同じキャリアで同じiPhoneを使っていきたいと考えるなら大きなメリットとなるでしょう。
キャリアの安定した通信環境を利用できることもメリットです。速度の低下やつながりにくいといったことは、大手キャリア回線を使っていればそうそう起こらないでしょう。
また、キャリアによっては独自の補償プランも展開しています。キャリアでiPhoneを購入したときでも、Appleの提供する「Apple Care+」を適用させることができますが、さらにキャリア独自の補償プランに加入しておくことで、故障時に手厚いサポートを受けられるようになるのです。
キャリア版iPhone最大のデメリットは、1つのキャリアに縛られてしまい、格安SIMなどを利用できないことです。
割引プログラムが適用されていると毎月支払う端末代金は低額に抑えられる一方、契約プランによっては契約終了後に端末を返却する必要があることもあります。その場合は、不要になったiPhoneを手元に残しておけず、さらに中古端末として売却することもできません。
キャリア版iPhoneを所有しているユーザーでもある手順を行うだけで、すぐにフリーSIM版iPhoneを手に入れることが可能になります。その方法とは、iPhoneの「SIMロックを解除」することです。
つまり、キャリアで購入したiPhoneをSIMロック解除することでフリー版iPhoneに切り替えてしまうのです。
かつてスマホのSIMロック解除は面倒で手数料もかかりました。しかし現在では、自分の好きなタイミングでスマホのSIMロックを解除できるようになりました。もちろん、iPhoneもその対象です。
iPhoneのSIMロック解除は、ユーザー自らが物理的なロックを外す必要がありません。利用している大手キャリアにて手続きすれば、簡単にSIMロックを解除できます。各社マイページにアクセスして手続きすれば、特に料金も発生しません。ですが、キャリアのショップ店頭や電話でSIMロック解除を依頼したときには、手数料が発生するので注意しましょう。
各キャリアの、マイページからSIMロック解除する手順を以下にまとめます。
マイドコモにログイン
↓
メニューの「サービス一覧」を選択
↓
「SIMロック解除」を選択
↓
必要項目を入力
↓
手続き完了
My auにログイン
↓
メニューの「契約内容手続き」を選択
↓
「SIMロック解除のお手続きはこちら」を選択
↓
必要項目を入力
↓
手続き完了
マイソフトバンクにログイン
↓
メニューの「契約・オプション管理」を選択
↓
必要項目を入力
↓
手続き完了
なお、ソフトバンクで2021年5月12日以降に購入したiPhoneについては、購入時にすでにSIMロックが解除されている状態なので、手続きはいりません。
SIMフリー版iPhoneを手に入れたら、さっそく格安SIMやキャリアサブブランドに乗り換えたいものです。ここでは「LINEMO」の特徴について解説します。
LINEMOなら現在iOSがサポートしているすべてのiPhoneに対応。LINEMOの料金プランは、3GB使えて月額基本料990円という安さが魅力の「ミニプラン」(※)と、20GBと大容量で思う存分楽しめる「スマホプラン」 (※)2,728円の2種類です。
最大の特徴は「LINEギガフリー」です。LINEアプリを使えば、トークと音声通話、ビデオ通話にかかるデータ通信量はカウントされません。データ容量を気にせず思う存分にLINEを活用できるのです。
また通話オプションとして「月額550円で5分以内の通話無料」「月額1,650円で国内通話話し放題」が用意されています。LINE通話以外にも電話番号を利用した通話もするという方も安心です。
またLINEMOは「eSIM」にも対応しています。
「eSIM」とは、スマホに内蔵されているSIMであり、ユーザー自身で取り出せないのですがオンライン手続きで情報の書き換えが可能です。郵送されてくるSIMカードを受け取ったり、店頭でSIMカードを挿入してもらったりする手間がなく、申し込み手続き後すぐに利用開始できる便利な仕組みと言えます。
最近発売された「iPhone XS」「iPhone XS Max」「iPhone XR」以降のモデルのiPhoneは、すべてeSIMに対応しています。LINEMOの契約はすべてオンライン上で行うのですが、eSIM対応のSIMフリー版iPhoneなら、手続きが完了したらすぐに使えるようになります。SIMフリー版iPhoneを持っているなら、LINEMOをeSIMで契約してみるといいでしょう。
iPhone 13シリーズはLINEMOで使えます。
格安SIMやサブブランドの格安プランが豊富になってきた昨今。SIMフリー版iPhoneを手に入れてそれらを利用すれば、利用料の削減や海外での快適な利用などが可能になります。
もちろんすでにキャリア版iPhoneを持っている人でも、手続きすればすぐにSIMフリーiPhoneにできるわけですから、少しでも格安SIMやキャリアサブブランドの格安プランに興味があるのでしたら、SIMロック解除を検討するのもいいのではないでしょうか。
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