更新日:2023.5.24
「格安スマホ」に乗り換えると、毎月のスマホ料金がお得になると、一度は聞いたことがあると思います。
ですが、格安スマホを利用するにはどうすればいいのでしょうか? そもそも「格安スマホ」とは、どういったスマホなのでしょうか?ここでは、そんな格安スマホについて解説していきましょう。
「格安スマホ」には、2つの意味合いがあり、携帯電話会社やスマホ情報サイトによって定義が異なっています。
まず単純に、スマホ本体の価格が安いスマホを「格安スマホ」と呼ぶことがあります。
搭載されているメモリがあまり多くない、ハードウェアのスペックが最新ではない、などいろいろな理由はありますが、最新の代表モデルよりもはるかに安い価格で提供されているスマホのことを指します。
もう1つは、大手の携帯電話会社の料金プランと比較して安価に利用できるスマホ通信サービスを指して「格安スマホ」と呼ぶことがあります。
こちらの「格安スマホ」がなぜ安価に利用できるかといえば、抑えられる支出(例えば人件費や設備費など)を抑え、それを料金に反映させているからです。
さらに、スマホ本体の価格などを含まずに月額料金を定めているからです。
本記事でも、格安SIMを使って毎月の利用料金を安くできるスマホのことを「格安スマホ」として解説を進めていきます。
少し前までは格安スマホは「MVNO(仮想移動体通信事業社)」が提供する格安SIMを指すことが一般的でした。
しかし、2021年になって、ドコモやau、ソフトバンクといった大手の携帯電話会社が、サブブランドとして格安スマホの提供を開始しました。
ドコモは「ahamo」、auは「povo」、ソフトバンクは「LINEMO」がそれらに該当します。大手携帯電話会社のサブブランドの価格体系は、MVNO(格安SIM)が提供する格安スマホとほとんど変わりなくなっています。
そのため格安スマホを選択する場合には、MVNO(格安SIM)の提供するサービスだけではなく、大手携帯電話会社のサブブランドも考慮に入れる必要があります。
次に、格安スマホに乗り換える手順について解説していきましょう。
格安スマホに乗り換える場合は、今使用しているスマホをそのまま使うこともできます。また、新しくスマホを購入して格安スマホに乗り換えることもできます。
いずれの場合でも、今使用している電話番号をそのまま移行することができます。
以下の手順に従えば、誰でも簡単に格安スマホへの乗り換えができるでしょう。
今使っているスマホをそのまま使う場合は、SIMロックが解除されているかどうかを確認します。念のため、乗り換え先の格安スマホで自分のスマホが動作するかどうかも確認しておきましょう。
SIMロックが解除されていない場合は、契約している携帯電話会社に連絡して解除の手続きを行います。
新しくスマホを購入する場合は、乗り換え先の格安スマホに契約するときに同時購入することもできます。
また、自身でSIMフリーやSIMロックが解除された新品・中古スマホを入手することも可能です。なお、スマホを自身で入手した場合は、スマホがそのサービスで利用できるかどうか事前確認しておく必要があります。
格安スマホの公式ウェブページなどで、動作確認端末(サービスによって名称は異なります)を調べてください。
今使っている電話番号を引き続き使いたい場合は、現在契約している携帯電話会社に連絡して「MNP予約番号」を発行してもらいます。
MNP予約番号には有効期限があり、発行日を含めて15日となっています。それを過ぎると予約番号が無効となってしまうので注意してください。
なお、今使っている携帯電話会社の格安スマホプランに電話番号そのままで乗り換える場合(例:ソフトバンク→LINEMO、ドコモ→ahamo、au→povo)は、MNP予約番号の取得は不要です。
契約に必要な本人確認書類を用意します。運転免許証や健康保険証などが本人確認書類に該当することが多いですが、格安スマホの会社によって必要な書類は異なります。詳しくは契約するサービスの規約を確認してください。
なお、格安スマホによっては、契約者が未成年の場合、親権者の同意書が必要だったり、そもそも契約できなかったりするのでこの点も確認しておきましょう。
また格安スマホの場合、料金の支払いはクレジットカードのみ、ということも少なくありません。クレジットカードを持っていない人は、口座振替が可能な格安スマホを探す必要があるでしょう。
格安スマホに申し込んで契約を進めます。多くの格安スマホサービスは、オンラインで手続きを進めていきます。
本人確認書類は、スマホで撮影してアップロードすることが多いので自宅ですぐに申し込むことが可能です。
無事契約が完了すると、数日のうちにSIMカードが送られてきます。契約の際に、SIMカードではなくeSIMを選択した場合は、SIMカードの差し替えは不要です。
通常のSIMカードで契約した場合は、送られてきたSIMカードを台紙から切り離してスマホに挿入します。スマホによってSIMカードの挿入スロットは異なりますので、詳しくはスマホの取扱説明書を確認して挿入しましょう。
SIMカードを挿入したら、電話またはオンラインで開通手続きを行います。詳しくはSIMカードに同梱されている説明書に記載されているのでそれに従ってください。
eSIMで契約した場合、物理的なSIMカードは送られてきません。メールなどで契約完了の連絡がきたら、オンラインで開通手続きが行えます。こちらも手順はメールに記載されていますのでそれに従いましょう。
MNP予約番号を取得して前のスマホから電話番号を引き継いだ場合は、契約後の初期設定完了後に、自動的に前の契約は解約されています。特に解約手続きは不要です。
逆に言えば、MNP予約番号を取得した契約でも、初期設定を行わない限りは前の携帯電話会社との契約が続いていることになります。
新しい電話番号を取得して契約した場合、解約の手続きを行っていない限りは前の携帯電話会社との契約が残っている可能性が高いです。利用しなくても月額料金が発生する恐れがありますので、解約の手続きを行ってください。
格安スマホへの乗り換えを決める前に、自分にとってメリットおよびデメリットがあるのかどうかを確認しておきましょう。
格安スマホと呼ばれるだけあって、月額利用料金は大手携帯電話会社の標準的なプランよりもだいぶ低価格に抑えられています。
「データ通信+音声通話」「データ通信のみ」など、シンプルながら自分の好みのプランを選択できます。毎月のデータ通信量についても、細かく選択できるプランもあります。
大手携帯電話会社の契約プランにあるような「2年縛り」のような仕組みはほとんどありません。プランの変更や解約は自由に行えます。
格安スマホの場合、時間帯によっては通信速度が低下することがあります。
ただし、大手携帯電話会社のサブブランド「ahamo」「UQモバイル」「povo」「ワイモバイル」「LINEMO」は、大手携帯電話会社と同一回線を使用しているため同品質です。通信速度にこだわる人はこの5サービスの中から選んだ方が良いでしょう。
ほとんどの格安スマホサービスは、実店舗を持っていません。手続きやサポートはオンラインで行うのが一般的です。
キャリアから割り当てられたメールアドレス(○○@docomo.ne.jp、○○@au.com、○○@softbank.ne.jpなど)が利用できなくなります。
これらのメリット、デメリットを考慮すると、格安スマホがあまり向いていない人の姿が浮かび上がってきます。
毎日のように長時間スマホで音声通話をするような人は格安スマホには向いていないでしょう。
格安スマホの場合、従量制の通話料金が設定されていることが多いです。オプションで、時間制限ありのかけ放題プランが用意されていることもありますが、1通話あたり3分や10分といった制限があり、それを超えると従量課金となります。
また通話し放題オプションも提供されていますが、それなりの月額料金がかかってしまいます。家族間無料通話といったようなサービスもありません。通話が多い人にとっては、スマホを安価で使うという目的からそれてしまう可能性が高いです。
日頃から動画の視聴やビデオ通話をするにもかかわらず、自宅や職場などにWi-Fi環境が整っていない場合、データ量はどんどん積み上がっていきます。
データ量が制限オーバーしてしまうと、通信制限がかかってしまいますし、何度もデータ容量を追加購入していたら、月額利用料金が増えてしまいます。
スマホの使い方がわからないときや、アプリの設定がわからないときなど、ちょっと困ったときに街角にあるスマホショップの窓口へ相談に行き、気軽にサポートを受けることができました。
しかし、格安スマホの場合は、サポートについてはほぼオンラインで行われます。そもそも街角にショップがありませんので、サポート担当者から対面でいろいろ教えてもらうのは無理な話です。ある程度スマホの使い方に精通していなければ、格安スマホに乗り換えるのは考え直したほうがいいかもしれません。
上記の「向いていない人」の条件を見て、格安スマホに乗り換えるのをあきらめようと思った、そこのあなた。ちょっと待ってください。
なぜなら、格安スマホのメリットを得ると同時に、不安に感じるところをカバーする格安スマホもあるからです。それは大手携帯電話会社がサブブランドとして提供している格安スマホを利用するということです。
先程も触れましたが、ソフトバンクの「LINEMO」、ドコモの「ahamo」、auの「povo」がそれに該当します。
これらのサービスも格安スマホなので、基本的な特徴はほかの格安スマホと大きく変わりません。最大の違いは、MVNO(格安SIM)とは異なり「回線を借りていない」こと。
通信回線はそれぞれの大手携帯電話会社のものをそのまま使っているので、ユーザーが集中したために遅くなるということもありません。もちろん、通信品質も信頼できます。
本記事では、「LINEMO」について紹介します。
LINEMOのメインとなる「スマホプラン」は、月額基本料が2,728円、データ量20GBと、ほかのサブブランド系格安スマホとほぼ同一です。データ量が3GBの「ミニプラン」は月額基本料が990円で、MVNO(格安SIM)とも遜色なく、非常に安価にスマホを利用できます。
他社との大きな違いは「LINEギガフリー」が標準で使える点です。これは、LINEアプリのトークはもちろん、音声通話とビデオ通話のデータ量消費がゼロになるというもの。
つまり毎月のデータ量にLINEの利用(トークだけではなく通話も)がカウントされないのです。またデータ容量オーバーになったときでも、LINEの通信速度は低下しません。
LINEは日常的なコミュニケーション手段となっていますし、音声通話やビデオ通話をLINEで済ませるという人も少なくないでしょう。
さらに現在LINEMOでは、音声通話についてキャンペーンが実施されています。5分以内の国内通話が定額になるオプション「通話準定額」(月額550円)が、LINEMOを契約してから1年間は無料になり、国内通話がかけ放題になる通話オプション「通話定額」(月額1,650円)についても、1年間月額1,100円で利用できるのです。
LINEを利用していない友達ともおトクに音声通話できます。
格安スマホは、毎月の料金を安くできる非常に魅力的な手段です。今使っているスマホから乗り換える手順も、一度マスターすればそれほど難しくはありません。
また、格安スマホには、メリットとともにデメリットもあります。そのため、格安スマホにするだけで、自動的に利用料金が安くなるわけではありません。自分がどのようにスマホを使っているかを冷静に考え、格安スマホでも問題なく使えると判断したら、乗り換えるべきです。
LINEMOのように、格安スマホながらかなり使いやすいプランが提供されていることもあります。乗り換え前にきちんと検討し、格安スマホでお得なスマホ生活を目指してください。
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