スマートフォンには個人情報をはじめ、重要なデータが詰まっています。
それだけに、取り扱いやセキュリティ対策には正しい理解と十分な注意が必要です。
最近ではスマートフォンをターゲットにしたハッキングも増えており、乗っ取りや個人情報の流出などの被害にあう方も少なくありません。
ハッキングの脅威は身近にも潜んでいるため、「自分はきっと大丈夫」と軽く考えていると、取り返しがつかないトラブルに巻き込まれてしまう恐れも…。
そこで今回は、スマートフォンが乗っ取られてしまう原因や乗っ取られているかどうかを確認する方法、対策・対処法について解説します。
更新日:2021.12.6
「スマートフォンが乗っ取られる」とは、一体どのような状態なのでしょうか。
まずは、スマートフォンが乗っ取られることで予想される被害についてチェックしておきましょう。
スマートフォンが乗っ取られてしまうと、登録してある連絡先(電話番号、メールアドレスなど)はもちろん、SNSアカウント、クレジットカード番号、銀行口座、自分の位置情報など、あらゆる情報が他人に知られてしまう危険性が高まります。
それによって、SNSアカウントの乗っ取り、個人情報を悪用した不正な契約、位置情報を使ったストーカー・空き巣被害などに発展する恐れも十分に考えられるでしょう。
漏えいした連絡先を使って友人や知人へメッセージを送るなど、迷惑行為が行われるリスクもあります。
個人情報の漏えいはあらゆる被害のきっかけになるため、細心の注意が必要です。
乗っ取られたスマートフォンにロックがかけられ、「ロックの解除と引き換えに金銭を要求される」という被害に発展する恐れもあります。
ロックがかけられると、スマートフォン自体を使用できなくなるのはもちろん、内部の個人情報が“人質(モノ質)”となってしまうため、非常に重大な問題といえるでしょう。
「振り込め詐欺などの悪質なメールを送信される」
「所有者になりすまして名誉を毀損するようなメッセージを送信させる」
「スマートフォンの中に保存された重要なファイルを送信させる」
「別のウイルスを仕込むためのメールを受信させる」
スマートフォンの乗っ取りによって、このような被害を招く恐れが高まります。
場合によっては、自分が加害者だと疑われてしまうような被害が発生するケースも…。
スマートフォンが乗っ取られると、第三者にカメラやマイクを遠隔操作されるリスクがあります。
カメラやマイクを勝手に起動されると、盗撮・盗聴によってプライベートがのぞかれるだけでなく、住所や職業などの特定につながる恐れもあるでしょう。
スマートフォンにクレジットカードを登録している、ネットショッピングを利用している、ネットバンキングを利用している、といった場合、スマートフォンが乗っ取られることで不正な送金や決済が行われてしまうかもしれません。
最近ではキャッシュレス化が進んでいるため、特に注意が必要です。
近年はスマートフォンで家電(スマート家電)の操作ができるようになるなど、IoT機器を使用している家庭も増えてきました。
しかし、家電がインターネットにつながるということは、ウイルスやハッキングなどによる乗っ取りの被害にあう恐れが生じるということ。
もちろん、乗っ取りの対策は機器のアップデートなどで可能ですが、スマートフォンから家電へと被害を拡げてしまう恐れがあるということも、認識しておきましょう。
スマートフォンを乗っ取る理由としてもっとも一般的なのが、「情報を盗む」という目的です。
スマートフォン内にはプライベートなものからビジネスに関わるものまで、多くの重要な情報が保存されています。
そういった情報を悪用する目的で、スマートフォンの乗っ取りが行われることも少なくありません。
一度流出してしまった情報は消すことが難しいだけでなく、さらなる犯罪に利用されたり、情報と引き換えに金銭を要求されたりすることも考えられます。
金銭を盗む(奪取する)という行為も、スマートフォンを乗っ取る目的の一つとして挙げられます。
登録されたネットバンクやクレジットカードの情報を悪用する、スマートフォンや情報をロックしてロック解除のパスワードを教える代わりに身代金を要求するなど、その方法はさまざまです。
目的は同じであっても手段は多岐にわたるため、日ごろからスマートフォンの扱いには十分注意しましょう。
スマートフォンを乗っ取ることで、位置情報の特定や生活の盗み見などによってプライベートな情報を収集し、ストーカーや嫌がらせを行うというケースも考えられます。
これらの行為を目的としてスマートフォンを乗っ取る場合、SNSアカウントへの侵入などが行われるケースも少なくありません。
もし不審なログイン情報などが見られた場合は、乗っ取りへの警戒を高めておく必要があります。
スマートフォンの乗っ取りは、さまざまな被害につながる恐れがあります。
そのため、「どのようにしてスマートフォンが乗っ取られるか」を理解しておくことが重要です。
代表的な手口をチェックしておきましょう。
「身に覚えのないダイレクトメールなどが届いた」という経験をしたことがある方もいるでしょう。
一般的に、不審なメッセージにはURLの記載やファイルの添付があります。
それらを不用意に開いてしまうと、ウイルス感染やフィッシング詐欺の被害にあう恐れがあるので注意が必要です。
また最近では、運送会社やインターネットショップなど大手企業の名前を使った迷惑メールも増えています。
送り主や件名だけを見て、安易に「大丈夫だ」と判断しないようにしましょう。
Apple storeやGoogle Playストアからダウンロードできるアプリの多くは安全性などのチェックが行われていますが、公式ストアではない場所からダウンロードしたアプリにはウイルスや不正プログラムが組み込まれているケースがあります。
ただし、公式ストアであっても、すべてのアプリが確実に安全かというとそうではありません。
審査時は危険性がないと判断されたものの、その後のアップデートによって危険性が増すことも否定できないからです。
スマートフォンの利用者増加にともなって、最近ではさまざまな場所で無料のWi-Fiが利用できるようになりました。
これは非常に便利な半面、しっかりと接続するWi-Fiスポットを確認しておかないと、トラブルに巻き込まれる可能性が高まることを意味しています。
もし、悪意のあるWi-Fiスポットへ接続してしまうと、不正なサイトへ誘導されたり、第三者に通信内容が盗まれてしまったりする恐れがあります。
スマートフォン乗っ取りによる被害は非常に大きいものの、自分で乗っ取られていることに気が付きにくいのが厄介なポイントです。
「もしかして乗っ取られているのでは……?」と不安になる方もいるでしょう。
以下では、スマートフォンが乗っ取られているかどうかを確認する方法について解説します。
スマートフォンの乗っ取りはコンピュータウイルスによるものが多いため、まずはセキュリティソフトを使ってウイルス感染の有無を調べてみましょう。
セキュリティソフトはさまざまな種類がリリースされていますが、中にはまったく効果がないものや反対に悪意を持って作られたものも存在します。
セキュリティソフトを使う際は、有名なブランドのアプリを選んでおくと安心です。
ダウンロードした覚えのないアプリ、知らない相手とのメールの送受信履歴、SNSの利用履歴などが見られた場合は、スマートフォンが乗っ取られている恐れがあります。
これらは日ごろ何気なく使っているだけでは見逃しがちなので、定期的にチェックしておきましょう。
遠隔操作や不正アプリの動作が発生している場合、その分通信量も増加するのが一般的です。
不自然に通信量が増えていたり、すぐに通信制限がかかってしまったりするなどの異常が確認されたら、スマートフォンの乗っ取りを疑ってみましょう。
遠隔操作や不正アプリが起動している状態では、スマートフォン所有者にとって意図していない動作が増えるため、電池の減りが早まったり、動作が遅くなったりすることがあります。
「電池の減りが異常に早い」「何も使っていないのに動作が遅い」という症状がある場合は、スマートフォンの乗っ取りにあっているかもしれません。
ただし、これらは端末の劣化など通常の使用においても見られる症状のため、他の確認方法と合わせてチェックしておきましょう。
スマートフォンの乗っ取りは非常に大きな被害につながるため、「乗っ取られないようにすること」が何より大切です。
では、どのような対策が有効なのでしょうか。
メールやSNSなどでリンクが送られてくるケースは少なくありません。
しかし、不審なアカウントから送られてきたURLはもちろん、友人や有名企業を称して送られてきたURLについても、身に覚えがない場合は安易にアクセスしないようにしましょう。
「友人のスマートフォンがすでに乗っ取られている」「有名企業を騙っている」といったことも考えられます。
アクセスする前に、送り主のドメインやメールアドレスに不審な点はないか、友人からの「乗っ取られ報告」がないかなどを確認しておくと安心です。
街中やカフェで使えるフリーWi-Fiは非常に便利なサービスですが、提供者が不明なものや正規のスポットに似せた「偽りのWi-Fiスポット」があるのも事実です。
Wi-Fiが使えるからといってむやみに接続するのではなく、「提供者の名前が正しいか」「信頼できる提供者か」「セキュリティで保護されているか」などをしっかりとチェックしましょう。
Point:LINEMOは20GB(※)のデータ通信が可能!
外でスマートフォンを使用する際、通信量が気になってしまうという方も多いはず。
フリーWi-Fiに接続することで通信量を節約することは可能ですが、不正なWi-Fiへの接続リスクが高まる点は無視できません。
格安SIMのLINEMOでは通信容量20GB(※)のプランが用意されており、外出時にリスクを冒してフリーWi-Fiを使用しなくても、十分な通信が可能です。
「外で通信量を気にせず安心してスマートフォンを使いたい」という方は、LINEMOの大容量プランを利用してみてはいかがでしょうか。
スマートフォンをより楽しく、快適に使用するために欠かせないのがアプリ。
しかし、中には不正プログラムやウイルスを組み込んだ悪意のあるアプリも存在します。
基本的にはiPhoneはApple store、AndroidではGoogle Playストアからアプリをダウンロードするようにしましょう。
これらの公式ストアであれば事前にチェックが行われているため、比較的安全といえます。
SNS、通販サイト、サブスクリプションサービスなど、さまざまな場面でパスワードが設定されます。
多くの場所でパスワードが求められるため、「同じパスワードを使い回している」「忘れないように簡単なものにしている」という方も多いでしょう。
しかし、セキュリティ面からいえば、パスワードの使い回しは非常に危険です。
管理は大変になりますが、使い回しや予測しやすい簡単なパスワードの設定は避けるようにしましょう。
また、定期的にパスワードの変更を行うのもセキュリティを保つために有効な手段です。
スマートフォンが乗っ取られていることがわかったら、できるだけ早いうちに対処を講じる必要があります。どのような対処があるのかチェックしておきましょう。
ダウンロードした覚えのないアプリや公式ストア以外でダウンロードしたアプリは、削除しておきましょう。
また、公式ストアでダウンロードしたアプリだとしても、アップデートなどによって乗っ取りが行われるようになっている恐れがあります。
アップデート後にスマートフォンの異常が増えたと感じる場合は、公式からダウンロードしたアプリでも疑うようにしましょう。
乗っ取られていることが考えられる場合は、SNS、ネットバンク、クレジットカード、通販サイトなどのアカウントに紐づくパスワードの変更や停止を行いましょう。
スマートフォンが乗っ取られていると、変更した情報も盗まれてしまう恐れがあります。
そのため、変更や停止はパソコンなど他の端末から行うと安心です。
「乗っ取りの原因となっているアプリが見つからない」「端末がロックされてしまった」という場合は、スマートフォンの初期化を試してみましょう。
初期化を行うことで出荷時の状態に戻るため、状況を改善できる可能性があります。
ただし、スマートフォンの初期化を行うとデータはすべて消えてしまいます。
定期的にバックアップを取っておくようにしましょう。
スマートフォンの乗っ取りによる被害が出ているのであれば、警察のサイバー犯罪相談窓口やIPA情報処理機構の情報セキュリティ安心相談窓口などに相談してみましょう。
また、契約している携帯電話会社や民間の調査会社に相談するのも手です。
疑いの段階なのか、すでに被害が出ているのかなど、置かれている状況に合わせてどこに相談するのかを決めるようにしましょう。
スマートフォンが乗っ取られてしまうと、非常に大きな被害が発生します。
しかし、スマートフォンの乗っ取りがいつ自分の身に降りかかるかわからないもの。
そのため、日ごろからの心構えや適切な対策が重要です。
スマートフォンの使い方やセキュリティについて今一度考え、いざというときも慌てずに対処できるようにしておきましょう。
※当ページの内容は公開日時点の情報です。
※表示価格は特に断りがない限り税込です。