スマートフォンを使っていると、「アプリがなかなか開かない」「画面のスクロールがカクカクする」「ウェブページが開くまで時間がかかる」など、スムーズに動かないこともあるでしょう。
「スマートフォンがまったく使えなくなってしまった」というわけではないものの、ちょっとした不便さにストレスを感じてしまう方は意外に多いのではないでしょうか?
そこで今回は、スマートフォンの動作が重くなる原因やその対処法などについて解説します。
更新日:2021.12.6
画像や動画、アプリなどをたくさん保存すると、スマートフォンのストレージ(データ保存領域)を消費します。
ストレージの残量が少ない状態では、「ファイルを開けない」「アプリを立ち上げたり読み込んだりといった処理に時間がかかる」といった症状が出るようになり、スマートフォンの動作が重くなる原因になります。
特に最近はスマートフォンのスペックが高くなったことにともない、写真や動画が高画質になり、高性能なアプリも増えています。
そういった状況もあるので、ストレージの消費には注意が必要です。
ストレージの空き容量が1GBを下回っている状態であれば、容量不足を疑ってみましょう。
RAMとは、起動しているアプリなどの作業中データを一時的に保存しておく領域のこと。
RAMが大きいほど多くのアプリを開いたり、一度に大がかりな処理ができたりするようになります。
このRAMが不足すると、作業スペースが圧迫されてスマートフォンの動作が重くなる原因になります。
CPUは、アプリを動かしたりデータを処理したりする部分です。
「手を動かして作業をする人」をイメージするとわかりやすいかもしれません。
「CPUに負荷がかかり、何らかの理由で正常に機能しない」といった場合、動作が重くなったりアプリが突然落ちてしまったりすることがあります。
一つの端末を長く使っていると、あらゆる部分が劣化していきます。
パーツの劣化にともなってパフォーマンスも落ちてしまうため、結果としてスマートフォンの動作が重くなります。
スマートフォンの動作が重くなる原因はさまざまですが、実際に動作が重くなったらどのように対処すべきなのでしょうか。
ストレージ容量が1GBを切るほど少なくなっているなら、不要な画像、動画アプリを削除して容量を空けましょう。
普段何気なく使っていると、「気付いたらストレージ容量が無くなっていた…」ということも少なくないため、定期的にデータを整理しておくのがオススメです。
「写真や動画は消したくないけど、ストレージは空ける必要がある」という方は、iCloudやGoogleドライブなどのクラウドストレージを活用したり、お手持ちのパソコンに転送するなどして工夫してみましょう。
アプリを終了したと思っていても、実はバックグラウンドで起動しているというケースは少なくありません。
画面上には出ていなくても、バックグラウンドでアプリが動いているとRAMを消費してしまいます。
マルチタスク画面などから、使わないアプリを終了させるようにしましょう。
キャッシュとは、ウェブサイトの検索や閲覧、LINEのトーク機能などを使用した際に一時保存されるデータです。
キャッシュが保存されることで、再度同じページやトーク、写真などを開いた際に表示がスムーズに行われます。
ただし、キャッシュが増えすぎると動作を重くする原因にもなるので注意が必要です。
数日や数週間に一度、定期的にキャッシュの削除を行っておくと良いでしょう。
ただし、iPhoneやAndroid 8以降のスマートフォンには、本体の空き容量が少なくなった場合に不要なキャッシュが自動で削除される機能が備わっています。
キャッシュの削除を行う方法は以下の通りです。
1.「設定」を開き、「Safari」をタップします。
2.「履歴とウェブサイトデータを消去」をタップします。
3.画面下部に表示される「履歴とデータを消去」をタップすると、履歴やキャッシュが削除されます。
1.「設定」を開き、「Safari」をタップします。
2.「詳細」をタップします。
3.「ウェブサイトデータ」をタップすると、キャッシュの一覧が表示されます。すべて削除したい場合は「全ウェブサイトデータを削除」、データごとに削除したい場合は削除したいサイトデータを左にスワイプし、「削除」をタップします。
1.「設定」を開き、「ストレージ」をタップします。
2.「その他のアプリ」をタップします。
3.アプリの一覧が表示されたらキャッシュを削除したいものをタップし開き、「キャッシュを削除」をタップします。
OSやアプリのアップデートには機能の追加だけでなく、動作を軽くしたり不具合を解消したりする目的もあります。
一部を除いてOSやアプリはアップデートをしなくても使い続けることができますが、動作に不具合が見られる場合はアップデートを試してみましょう。
また、OSのアップデートはセキュリティ性能の向上も行わるため、なるべく新しいバージョンにしておくのがオススメです。
不具合が発生した際にスマートフォンを再起動する方は多いかもしれませんが、再起動は動作が重いときにも有効です。
スマートフォンを再起動することで、バックグラウンドなどで動いているアプリがリセットされ、RAMをクリアにすることができます。
バッテリーが劣化していると、安定的に端末へ電力を供給することができません。
不安定な電力によって端末が故障してしまうこともあるため、スマートフォンには電力の状態に合わせてパフォーマンスを制限したり、電源を強制的に落としたりする機能が備わっています。
ストレージやRAMなどに問題がないにもかかわらず、動作が重い、電源が頻繁に落ちるといった症状がある場合は、バッテリーの劣化が疑われます。
カクつきなど動作自体に問題はないものの、「アプリが開かない」「ウェブページが開かない」といった症状がある場合は、インターネットの接続不良が原因となっているケースも。
通信状態が不安定なためにデータのダウンロードに時間がかかり、結果として動作が重くなったように感じてしまいます。
そんなときは以下のポイントをチェックしてみましょう。
データ通信が遅くなっている原因として考えられるのが、通信速度制限です。
プランによって定められたデータ通信量を一定期間の中で超えてしまうと、通信速度が大幅に遅くなってしまいます。
通信速度制限がかかっているかどうかは、携帯電話会社ごとに提供しているアプリやポータルサイトから確認可能です。
人が集まっている場所や地下鉄の車内などでは、通信が不安定になることがあります。
また、回線側の不具合などによって接続が不安定になったりつながらなくなったりケースもあるため、場所や時間を変えて再度通信を試してみましょう。
4Gや5Gといったモバイルデータ通信を使用して接続しにくい状態になっているのであれば、Wi-Fiに接続して通信してみましょう。
通信速度制限や回線側に問題が発生している場合は、Wi-Fiを利用することで正常な通信ができるようになるかもしれません。
動作が重くなっていても、まったくスマートフォンが使えなくなるわけではありません。
また、再起動などを行うことで改善することもあるため、「もとに戻った=直った」と考えてしまいがち。
しかし、スマートフォンの動作が重い状態、頻繁に動作が重くなる状態を放置していると、故障や劣化の原因になるため注意が必要です。
スマートフォンの動作が重い状態ということは、それだけ端末に負荷がかかっているということ。
その処理を行うためには、通常よりも多くのエネルギーを使うことになります。
多くのエネルギーを使うということは、バッテリーの消耗も加速し、劣化を早める結果にもつながるため注意しましょう。
動作が重くなる状態を放置していることによって劣化するのは、バッテリーだけではありません。
大切な情報を保存しておくメモリや、動作を処理するCPUにも大きな負荷がかかるため、これらの劣化を早めることにもなります。
バッテリーであれば劣化しても交換可能ですが、CPUなどの内部パーツは簡単に交換することができません。
修理の際に高額な費用がかかったり、新品と交換するしか方法がなかったりすることもあるため、深刻な状態になる前にしっかりと対処しておくことが重要です。
スマートフォンの動作が重くなると、使う際にストレスを感じるだけでなく、端末の寿命を縮めることにもつながってしまいます。
そのため、その場しのぎの対応で済ませるのではなく、ストレージ容量やRAMの確保、スマートフォンの使い方を見直すなど、根本的な対処を行うことも考えましょう。
また、一つの端末を長期にわたって使用している場合は、「劣化による動作不良」というケースも考えられます。
どうしても動作が改善しないという場合は、新しいスマートフォンへの買い替えも検討してみましょう。
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