2010年ごろまで、携帯電話会社で購入したガラケーやスマホにはSIMロックがかけられており、他の携帯電話会社の回線が使えないケースが一般的でした。
しかし2015年、契約者が希望した場合のSIMロックの解除が義務化されました。それ以降、徐々に「SIMフリー」の端末が増え始め、最近ではSIMロックそのものがなくなりつつあります。
このように現在では広く普及しているSIMフリー。しかし、中には「SIMフリーってなに?」「どう変わったの?」などと感じている方も少なくないでしょう。
そこで今回は、SIMフリーの基礎知識や、メリット・デメリットなどについて解説していきます。
更新日:2024.5.13
SIMフリースマホとは、SIMロックがかかっていないスマホのことです。2021年10月1日以降に販売されるスマホには、SIMロックを設定しないことが定められました。そのため、2024年現在販売されているスマホには、SIMロックがかかっていません。
ここからは、SIMロックやSIMカードなどの用語について詳しく知りたい方に向けて解説します。
SIMフリーとは、SIMロックがかかっていない状態を意味します。SIMフリースマホは、次の2つに分けることができます。
1.SIMロックが解除されている、あるいは設定されていないが、対応する周波数帯は制限されている端末
2.SIMフリーを前提にしており、幅広い周波数帯に対応している端末
一般的に「SIMフリースマホ」として売り出されているのは、2の端末です。
スマホの購入を検討しているとき、1.7GHzや700MHz、あるいはn77やバンド28などという言葉を目にしたことはないでしょうか。これが周波数帯です。
どの回線が使えるかというのは、SIMロック以前に、その端末がどの周波数帯に対応するよう製造されているかが重要になります。各回線で割り振られている周波数帯が異なるからです。
「SIMフリー」と一口にいっても、端末によって利用が難しい回線があるという点に注意しておきましょう。
SIMロックとは、他社のSIMカードが利用できないよう、端末に制限をかけた状態のことです。たとえば、A社で購入した端末にSIMロックがかかっていると、B社のSIMカードを挿入しても通信サービスを利用できません。
そのため、SIMロックがかかっている端末で他社に乗り換える際は、乗り換え元でSIMロックを解除してもらう必要があります。
加えて、乗り換え先の通信サービスを実際に利用できるかは、端末の対応周波数帯によるので確認しておきましょう。
SIMカードとは、通信サービスに必要な小型ICカードのことです。SIMカードには電話番号を含む契約者情報が登録されています。端末の差し込み口(スロット)に挿入することで、インターネット利用や通話ができるようになります。
注目すべきSIMフリースマホのメリットは、以下の通りです。
1.契約できる通信会社の選択肢が多い
2.格安SIMの利用で「2台持ち」もしやすい
3.海外でも使用しやすい
4.選べる端末が多い
ここからは、それぞれのメリットについて解説します。
SIMフリースマホなら使用可能な回線が限定されないため、格安SIMを取り扱うMVNOを含めたあらゆる通信会社を選択できます。
対応周波数帯に制限のあるスマホは、選べるSIMが限られています。そのため、「おトクな格安SIMを見つけたのに、持っているスマホでは利用できない」というケースも…。
「よりおトクに使いたい」「自分に合ったプランを選んで契約したい」という場合は、幅広い周波数帯に対応しているSIMフリースマホを選ぶと良いでしょう。
SIMフリースマホは多くの格安SIMにも対応しているので、月々の料金をより安く抑えることが可能です。
1台のスマホにかかる料金が安くなれば、「2台持ち」も難しくはありません。
「用途で使い分けたい」「子ども用にもう1台スマホが欲しい」という場合は、SIMフリースマホ+格安SIMで2台持ちを検討してみてはいかがでしょうか。
SIMフリースマホであれば、現地調達のSIMカードでも問題なく使えます。
海外でスマホを使用する際は、その国の回線に対応したSIMカードを挿入する必要があります。しかし、日本国内の特定の回線にしか対応していない端末では、SIMカードを入れ替えたとしても使うことができません。
海外への旅行や出張などが多い方は、SIMフリースマホを1台持っておくと便利でしょう。
携帯電話会社で購入するのとは違い、中古製品や海外メーカーなどさまざまな端末が選べるのもSIMフリースマホの魅力です。
搭載されている機能などから、自分にピッタリのスマホを見つけることができるでしょう。
「今まで妥協してスマホを選んでいた」という方は、SIMフリースマホを検討してみてはいかがでしょうか。
メリットが多いSIMフリースマホですが、以下のようなデメリットもあります。
1.購入先によっては店頭サポートがない
2.端末によっては日本独自の機能に対応していない
ここからは、それぞれのデメリットについて解説します。
SIMフリースマホを購入しても、店頭サポートを受けられないことがあります。
大手携帯電話会社で端末を購入した場合、不具合や故障はショップなどで対応してくれるケースが多いです。ところが、家電量販店やオンラインで購入したSIMフリースマホでは、基本的に端末を発売しているメーカーへの問い合わせが必要です。
また、「端末購入時の割引がない」「対面でサポートが受けられない」など、サポート面で不安を感じることがあるかもしれません。
最近のスマホでは「おサイフケータイ」や「緊急地震速報」などに対応した端末も多くあります。しかし、海外メーカーやマイナーなメーカーの端末などでは、日本独自の機能に対応していないことがあります。
「機能面にこだわりたい!」という方は、購入前にしっかりと端末のスペックをチェックしておく必要があります。
今まで大手携帯電話会社から端末を購入していた方の中には、「SIMフリースマホをどこで買えばいいかわからない」という方もいるでしょう。
そこで、SIMフリースマホを手に入れる方法をいくつかご紹介します。
現在SIMロックがかかっているスマホを使っているのであれば、新規でSIMフリースマホを購入せずとも、端末を購入した携帯電話会社でSIMロックを解除してもらうことが可能です。
SIMロックを解除するには、インターネット経由かキャリアショップで申し込む必要があります。
なお、携帯電話会社ではSIMロックを解除後、他社のSIMカードを利用した場合の動作保証は行っていません。不具合が発生しても、対応してもらえないことを知っておきましょう。
SIMフリーが普及している現在では、以下のような場所で購入できます。
また、2023年10月1日以降に販売される端末には原則としてSIMロックをかけることが禁止されました。これから携帯電話会社でスマホを購入するのであれば、それは基本的にはSIMフリー端末ということになります。
「できるだけ安くSIMフリースマホを手に入れたい」という方は、中古の端末を扱っているショップをチェックしてみましょう。
最近では、中古の端末でもSIMロック解除済みのものが多くなっています。
ただし、中古スマホを購入する際は、赤ロムのスマホに注意しましょう。赤ロムとは、端末代金の支払いが滞っていたりして通信に制限がかけられた端末のことです。
赤ロムのスマホは突然インターネットや通話ができなくなることがあります。赤ロム保証が付いている販売店であれば返金や交換の対応をしてくれますが、購入はよく検討してからにしましょう。
SIMフリースマホはさまざまなお店で手に入れられますが、選択肢が多くなればなるほど端末選びに迷ってしまうものです。
そういった方のために、選ぶ際のポイントを紹介します。
スマホを購入するうえでどうしても気になるのが、本体の価格です。
最新端末や機能が優れたものは10万円を超えるなど、高額になることも珍しくありません。つい「少しでも安いものを」と考えてしまいがちです。
しかし、スマホは日常的に使うアイテムなだけに、安さだけで選んでしまうと失敗のリスクが高まります。
まずは、大まかに予算を決めてから機能面と照らし合わせて選ぶようにしましょう。
価格を抑えたいのであれば、中古のスマホを選ぶのも一つの手です。
ストレージはデータ保存領域のことで、ストレージ容量はスマホに保存できるデータの量を表します。
ストレージ容量が大きければ、より多くの写真・動画・アプリなどを保存することが可能です。
最近では高性能なカメラやアプリが増えていることから、それぞれのデータ容量が大きくなっているため、ストレージ容量が小さいと使いにくさを感じることも…。
自分がどれだけのデータを保存するかなど、使い方に合わせて選ぶことが大切です。
ただし、ストレージ容量が大きい端末は価格も高くなる傾向にあります。あわせてSDカードやクラウドストレージの活用を考えておくのも良いでしょう。
端末によって、以下のような性能や搭載機能は大きく異なります。
ある程度候補を絞ったら、自分が求めている機能が備わっているかなど、細かな性能や独自の機能をチェックしてみましょう。
最後にSIMフリースマホの注意点について解説します。これからSIMフリースマホの購入をお考えの方は、ぜひ参考にしてみてください。
日本国内では、総務省の許認可を受けた「技適マーク」のあるスマホしか使うことができません。
日本のショップで端末を購入するならそこまで気にする必要はありません。しかし、海外の店舗やウェブページなどで購入する際は、技適マークがあることを必ず確認してから購入しましょう。
SIMカードを選ぶ際は、使用するスマホのサイズに合うSIMカードを選びましょう。SIMカードには、以下のように3つのサイズがあります。
SIMカードの種類 | サイズ |
---|---|
25mm×15mm | |
microSIM | 15mm×12mm |
nanoSIM | 12.3mm×8.8mm |
SIMカードのサイズが合っていないと、カードスロットに入りません。必ず対応するSIMカードの種類を確認しましょう。
使用可能な回線が限定されないことがSIMスマホのメリットですが、すべての回線を利用できるわけではないという点に注意しましょう。
スマホで通信を行うには、その端末が、契約する回線の周波数帯(バンド)に対応していなければなりません。周波数帯が対応していないと、通信に不具合が生じたり通信ができなかったりします。
そのためSIMフリースマホを購入する際は契約する回線の周波数帯に対応しているか、事前に確認する必要があります。
SIMフリースマホは端末や回線の選択肢が豊富で、海外に行く際も余計な手間がかからないなどさまざまなメリットがあります。
また、SIMロックが原則禁止されたこともあり、今日ではSIMフリーがスタンダードになりつつあります。
もしこれからスマホの購入や機種変更、携帯電話会社の乗り換えなどをするのであれば、SIMフリーの端末やSIMロックの解除を検討してみてはいかがでしょうか。
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